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魚心あれば水心

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魚心あれば水心あり:魚と水は互いに相手を欠くことのできない密接な間柄であることに例え、相手が好意を持てばこちらもそれに応ずる用意があることにいう(広辞苑)

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Pisco Soldeica M.R.
Denominacion de Origin ICA
Brandy
Bodegas Vista Alegre
Peru

このブログでお酒を取り上げる時は、通常は次のようなルールでタイトルを付けることにしている。




1)記事全体のタイトル
2)酒の名前(ワインの場合は種類)
3)酒の種類(ワインの場合は製産年と格付け)
4)製造所(製造者が複数ある場合は醸造所を優先)
5)産地(国名も含む)

さて、世の中には「並外れて語学の才能がある人」というのがいるが、私は日本語しか堪能でなく、あとは若干の英語を理解する程度の語学力しかない。高校時代の漢文は赤点すれすれ、大学の第二外国語で習ったドイツ語も教官のお情けで単位をもらったクチである。にもかかわらず身の程知らずにも毎回外国語で書かれたお酒のラベルを判読して上記のような順に並べているので、たまには(しばしば?)間違いがあることをお知らせしておきたい。

なぜ今ごろこんなことを書くかというと、今日紹介する酒のラベルがさっぱり読めなかったからだ。一応スペイン語の辞書で調べたのだが、Vista Alegreが会社名なのか地名なのか判断できないし、Casa Fundataが町の名前なのか生産地全体の名前(格付けを受けている場所)なのかもわからなかった。
スペイン語ラベルと言ってもペルーの酒なのだ。
ペルー人と結婚している日本人の友人がいるので、そのうち彼女に聞いてみることにするが。

このお酒は、南米に明るい友人Iさんにご馳走していただいた。ペルー産の有名なブランディーで、マスカットのワインから蒸留する。

Iさん曰く「安酒ですよ」。
要するに大衆酒という意味で、南米を中心に広く飲まれているスピリッツなのだ。

「Pisco Punch(またはPisco Sour)」というカクテルで有名で、以前から飲んでみたいと思っていたのだが、日本ではなかなか手に入らないと言ったところ、先日Iさんが、川崎のペルー料理店でご馳走してくださった。

マスカットのブランディーと聞いていたので、すごく上品な酒をイメージしていたのだが、飲んでみると確かに大衆酒。というか、上品さとはほど遠い味わいだった。
色は透明だが、「干しぶどうの味(ちょっと引っかかるような舌触り)」がして、本当のブランディー好きなら敬遠してしまうだろう。
しかし私はブランディーよりグラッパやマールの方が好き、という下品な酒飲みなので、普通のブランディーよりおいしいと思った。
Iさん、その節はごちそうさまでした。

Piscoというのはケチュア語で「鳥」という意味らしい。名前の由来はこのブランディーを運ぶための壺「アムフォーラ(ギリシャ語。ワインなどの液体を入れる両手耳の壺のこと)」を作っていたケチュア族の部族名なのだそうだ(手元のバーテンダー辞典より)。
南米で「鳥」と聞くと、ナスカの地上絵なんかを連想してしまう。「鳥」という部族名がつけられた由来を、いつか調べてみたいと思った。

そのお店にはPisco Punchもあって、これもご馳走していただいたのだけれど、こちらはかなり甘くて、Piscoの味はいまいちわからなかった。物珍しさから何でも試したい観光客にはいいのかもしれないけれど、本当の酒飲みは、PiscoもPisco Punchも邪道な感じがするんだろうな。
私は、物珍しさから何でも試したい方です。

このラベルをよく見ると、周りにマスカットがデザインされている。このラベルの裏にはPisco Sour Cocktailのレシピが書いてあるみたいなのだが、スペイン語のラベルの上に輸入代理店が貼った日本語のラベルがかぶさっていて、物理的に判読できない。
なので、手元のバーテンダー辞典のレシピを以下に紹介する。興味がある方は試してみてください。(Piscoに関してはインターネット、またはバーテンダーが使うような大きな酒屋に行けば日本でも買えます。ただもちろん、現地で買うような「大衆酒」の値段ではありませんが。)


Pisco Punch
1, Pisco 3 liquid oz
2, Sugar Syrup 1 tea spoonful
3, Lime (or Lemon) juice 1 tea spoonful
4, Egg white 1
5, Bitters 1 dash
注:全部を氷と一緒にシェーカーでシェイクしてサワーグラスに注ぐ。(しっかりシェイクしないと卵白がきちんと混ざらないのでご注意ください。)

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追記:この記事を読んだIさんが、ラベルについて詳しく調べてくださった。
Casa Fundadaというのは地名ではなく、会社設立地、というような意味だそうなので、タイトルラベルから外して単に「Peru」とさせてもらった。会社名Bodegas Vista Alegreは合っていて、「ほろ酔い加減醸造所」というような意味だそうだ。かなり大きな会社のようで、ウェブサイトもお知らせいただいたので、タイトルからリンクさせている。興味がある方はごらんください。
ただし、スペイン語か英語ですが。

追記2:連れていっていただいた川崎のペルー料理レストランのウェブサイトに、ピスコに関する詳しい記事が載っていました。合わせてごらんください。こちらは日本語で大丈夫です。
by fishmind | 2007-01-28 00:52 | お酒の話

by AYUHA