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魚心あれば水心

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魚心あれば水心あり:魚と水は互いに相手を欠くことのできない密接な間柄であることに例え、相手が好意を持てばこちらもそれに応ずる用意があることにいう(広辞苑)

軽井沢ビールレポート(5)

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Oh! La! Ho! Beer
Amber Ale
Shinshu Tomi City-Shinko Kosha Co.Ltd
Tomi, Nagano, Japan

続きである。

「おらほ」は、この地域の方言で「私たちのもの」「私たちのところ」を意味する。「おらほのはた」と言えば「うちの畑」、「おらほのうし」と言えば「わが家の牛」ってことになる。



長野県には「信州弁」というものは存在しない。共通する癖は確かにあるが、長野と松本で話されている言葉は違うし、私が3年間すごした伊那谷(長野県の南の、天竜川沿いの広い谷)でも、上伊那と下伊那ではかなり違った。
しかし、男女とも年配者は自称に「おれ」を使う傾向はあった。最近は東京の若い女の子(高校生)も結構自称に「おれ」を使うので、「先祖返りだな」とほほ笑ましく見ている。(女の子らしくないと目くじらを立てて起こる人がいるが、それよりも、「おれ」って言ってる子に、「昔は男も女も下々は『おれ』っていってた。」と教えてやるとよいと思う。)

「おれ」は「われ」に通じ、「わたし」という自称よりも歴史が古い。「おら」はもちろん「おれ」の変形である。「ほ」は麦の「穂」にかけられてのいるのだろう。

この缶には「OH! LA! HO!」とローマ字で書かれており、ここだけ見ると、ちょっとしたはやしことばのような音が連想される。
良いネーミングだと思う。

そしてこのラベル。
この何だか愛嬌あふれる顔に、太陽の光輪のように麦の穂が生えている図柄は、ネーミングとしっかりマッチしている。長野市にも上田市にも入らない選択をした町のブランドイメージとしてこのデザインとネーミングを見ると、東御市の一生懸命さが伝わってくる。

サイトをあれこれ見ていたら、この株式会社(公社)、大田区の保養施設を併設している。区民でなくても利用できるようだが、大田区民だと1000円ほど安い。

いいなあ、大田区民。

世田谷区も保養施設を持っているのだが、その保養施設がある群馬県川場村の地ビール「川場ビール」はいまいちなのである。川場村に行ったことはないが、区民のイベントなどでたまに出ていることがあり、試しに飲んでみたのだが、コメントが書けずここに載せられなかった。(世田谷区の場合、川場と千廐のビールが出ていることがあるが、その場合は千廐を飲むのが正しい選択だということもあわせてお知らせしておく。川場しかなかったら、ビールではなくヨーグルトがお勧めだ。)
保養地の地ビール比べ世田谷対大田は、大田の勝ちと見た。

アンバーエールとゴールデンエールは、色や香りに若干違いがあるものの、それほど大きな差はない。上手に作ってはあるので、好きな人は好きだろう。
ヤッホー!ブルーイングのようにきちんと東京に販路を開ければ(ヤッホー!はうちの近所では、東急ストア、ナチュラルローソン、ディスカウントストアなどで広く手に入る。)、それなりに売れるのではないか。
問題は、行政がかなりお金を出しているっぽい株式会社公社が、どの程度コストをかけずに、そして質も落とさずにプラントを大きくできるかだと思う。

行ったことはないのでよくわからないが、かなり小規模なビール工場ではないのかと想像する。町の経済を担っていくつもりなら、そろそろ本腰を入れて販路の拡大をはかる時期ではないかと感じた。

地元に観光客を呼ぶことで観光産業を発展させようという戦略は、海外旅行が安くなり、手近なレジャーが山ほどある現代のニーズに取り残されていくだろう。
確実な雇用と産業を定着させることが目的なら、来てもらわなければならない観光産業より、こちらから商品を売り込むルートの開拓に、もっと力を入れた方が良い。

このレポート、さらに続く。

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by fishmind | 2006-09-04 08:19 | お酒の話

by AYUHA